〇大西委員 関連。今、神林委員も、それから鈴木委員も、それぞれ区議会の議長を経験されてきて、この問題については、議長会としてもずっと取り組んでこられたわけですよね。まだ初の委員会質問ですから、多少ご遠慮なさって、抑えるものは抑えていっているんですよ。
 だけど、私は平成五年に都議会に当選してきた。あのときは、バブル崩壊後の都財政、惨たんたる状況だった。それを、我々与党第一党として、皆さんと一緒に財政再建のために、共産党からは福祉を削って鬼だとか、例えば投資的経費を思い切って削減することによって、いろいろな中小零細企業への影響もあって、我々もいろんな指摘を受けながらも、歯を食いしばってみんなで努力して、財政再建を今なし遂げつつあるんですよ。
 だけど今、これを見て、本当にがっかりしちゃうよ。何だよ。東京都の責任、義務、それを一切放棄して、泣き言だけじゃないの。泣き言だけだよ。大規模施設の更新費といったって、我々なんか望んでないよ、こんなの。何だよ、現代美術館とか、辰巳の国際水泳場とか、いろいろ選挙区ではご事情もあると思うけれども、何だ、これ、江東区じゃないかと思うぐらいですよ。あるいは江戸東京博物館とか、これが−−だって、一年間の維持管理経費が百億円、そして使用料はわずか、計算すると十七億円ぐらいだよ。わかり切っていることじゃないか。
 我々二十三区側は、こうした例えば文化センターをつくる、保養所をつくる、あるいはさまざまな施設をつくっていくときに、マーケティングリサーチをきちっとやりますよ。そして費用対効果を考えて、十年、二十年、三十年のファクターで、行政体の命をかけてそうした区民施設をつくっているわけよ。そして今、これは調べてもらうとわかるけれども、大体二十三区内のこういった大規模の−−江戸川区では、使用料、手数料が維持管理経費の約三九%、四〇%近いものを上げていますよ。しっかりと、これでも一〇〇%、政策的な目的や何かがあるから、黒字を出せばいい、あるいは使用料、手数料の率が維持管理経費に届けば届くほどいいとは一概にはいえないけれども、そういう経営努力をしているんですよ。
 あるいは隠れ借金だ。これは九千億あるというんでしょう。これは一朝一夕にできたものじゃないんだよ。東京都の施策運営の失敗だよ。財政運営の失敗によって隠れ借金が生まれてきたんだよ。だれの責任でもない。二十三区の責任でもなければ、都民の責任でもない。曽根さんなんかが大喜びする臨海会計だって、これはもう破綻寸前だよ。(曽根委員「これには入ってないんだ」と呼ぶ)入っていないんだよ、これにはまだ。そして、再開発事業だとか、多摩ニュータウン事業だとか(発言する者あり)いや、違うんだよ、曽根さんとは考えが違う。そういうことについて、やっぱり東京都政として、しっかりと反省に基づいて、そして財政再建をどうやっていくかという方向性を示してくるんだったら、まだわかるよ。都財政が直面する課題というので、わかるよ。
 それを、東京都の自己責任、自己反省を全く放棄して、さあ、見渡してみたら、今、銭が一番ありそうなのは一兆五千億円の調整三税だ。二十三区からできるだけ、分捕るだけ分捕って、こういった隠れ借金だ、大規模施設の改修だ、あるいは退職金の手当てだ、そういうことを穴埋めしようじゃないかというのが見え見えているじゃないか。
 だから、私は都議会議員として本当に恥ずかしい。こんなことを許していたら、二十三区に帰れない、ふるさとに帰れないよ。こうした意味で、どのようなお考えを持っているか、まずお聞かせをいただきたい。
〇安藤主計部長 大変厳しいご指摘をいただきましたけれども、私どもがこの冊子を出した趣旨は、冒頭申し上げましたとおり、来年度予算編成のスタートに当たりまして、客観的に見て、都財政が直面している課題は何かということを整理したものでございます。
 したがいまして、大規模施設につきましても、るるご議論はおありかと思いますが、こうしたものについても予算措置を講じないことには、こうした施設がしっかり機能していかないということもあるわけでございまして、そういう現実を踏まえて、どういう課題がある、そのために、庁内的に申し上げますと、予算編成上工夫が必要であるということを認識してもらうために、こういうものをつくったところでございます。
 また、都と区の関係で申し上げますと、決して私どもは二十三区から分捕るとかということではございませんで、今の議論で申し上げますと、逆に、例えば政令市につきましても、ご意見はございますが、その考えを進めていきますと、私どもの方から特別区側に約三千五百億円の税を移す、移るということになりまして、その前提である都区の役割分担について、もう少し突っ込んだ議論をした方がいいというのが我々の主張でございます。
 基本的には、都と区が共生できる道を探っていきたいというのが私どもの考えでございますので、この点についてはぜひともご理解をいただきたいというふうに思っております。
〇大西委員 都財政の課題だよね。そして、都の財政再建、予算編成について都財政が置かれている現況についてまとめたというけれども、それであるならば、予算に反映させる意味で、過去の政策的な過ちについて謙虚に反省する必要があるんだと思うんだよ。そして、そういう過ちを二度と繰り返さないような予算編成をしっかりやりますというのが、まず大前提になければいけないんじゃないかと思うんだよね。
 何だよ。都財政の課題といったって、ページ数で見てみなさいよ。大半が都区との調整三税問題じゃないか。そんな言葉で、きれいごとを並び立てることで許されるようなことじゃないんですよ、これは。私どもも、やっぱり都議会議員であるとともに、各区選出の議員として、責任を持ってこの問題にはしっかりと対処していかなきゃいけないと思うんですよ。
 もう一つ、この三六ページかな、大都市事務を支える税収、確かに、二十三区内の税収というのは、さまざまな都市の集積メリットあるいは都市の産業構造によって、他の市町村とは比べものにならない税収があることは確かだよ。だけど、東京都だってそうだろう。四十七都道府県の中で特出しているじゃないか、道府県税は。知っているでしょう。十五年度、東京都は、一人当たりの道府県税が一番多い。他の二番目と思われる大阪府だとか神奈川県と比べても、倍とはいわないけれども、それに近い都道府県税を持っているんだよ。同じなんだよ、二十三区だって、東京都の道府県税だって、ともに全国自治体の中で比べれば突出しているんだよ。突出して豊かなんだよ。それをなぜ二十三区だけとらえるんだよ。
 もう一ついえば、今まさに、東京都が二十三区にやっていることを、国からやられているじゃないか。それは例えば、法人事業税の分割基準の見直しあるいは社会保障費の都負担の増加、あらゆる形で東京バッシングが今、国政の中で渦巻こうとしているよ。
 ここで、我が与党第一党・自民党も、国政で衆参合わせて五十人を持つようになったから、これからやっぱり国会議員にハッパをかけて、こういう東京バッシングが具体的な三位一体改革や予算配分の中で起きないように、我々は一致結束して頑張っていくけれども、こういったことをあなたたちは二十三区にやっているんだよ、国からやられていることを。
 そういう意味で、基本的な認識について、まず話し合いでお互い−−お互いじゃないんだよ、区側が初めての、先ほどの神林議員からも指摘があったけれども、区長会として猛烈な抗議を都に申し入れてきた、この見解について。そういった中で、二十三区側が、都の主要五課題を初め都区制度の改革について、本当に東京都のことを信用していないんだよ。こんなことで話し合いなんかが進んでいくはずがないじゃないか。それを一方的にこういう中で勝手なことをいわれて、はい、わかりましたということでは、我々都議会議員の責務が果たせない、そう思っていますよ。
 この道府県税、もう一つは市町村税で二十三区が特出している、これは同じことじゃないかと思うんだけど、どうですか。主計部長、これは答えられるだろう。はいでいいんだよ、はいで。
〇安藤主計部長 ただいま先生のご指摘のような資料は、前回の協議会の中でも区側から出てきまして、府県財源だって多いのではないかということで、府県財源をもっと特別区に充てればいいんだ、充てるべきだという議論がございましたが、そもそも論といたしましては、私どもは……
〇大西委員 そんなことを聞いているんじゃないよ。
〇安藤主計部長 事務の分担に沿った制度だということでございますので……
〇大西委員 質問の趣旨に答えろよ。府県税が全国的に特出している、東京のは。他の市町村と比べて、二十三区は特出している。これは同じじゃないかと聞いているんだよ。それ以外は聞いていないよ。
〇安藤主計部長 他団体に比べて、東京の府県税並びに市町村税が多いことは事実でございます。
〇大西委員 そういった中で、こんな論議をずっと続けていくんでは、これは、今、二十三区は政令指定都市の中の行政区じゃないんだよ。東京都の考え方はそれに近いような考えと思わざるを得ないようなことがたくさんある。基礎的自治体、独立した自治体なんだよ。そういう意味では、しっかりとお互い、こういった大都市東京、そして他の自治体に比べて、産業の集積があり、経済の集積があり、富が集中している。しかも、日本のリーディングシティーとして、東京がしっかりしていかなければ、日本にあしたはない、そう思っていますよ。
 そのために、どうやって二十三区と協調的に力を合わせて大都市事務を解決していくんだ、そういう前向きな観点から努力をしていくわけで、財務局長、もういろいろいわないけれども、後でゆっくりやるから、これについて少しは、区側について、区側から猛反発を受けているということに対して、やっぱり謙虚な姿勢を示してよ。示すべきだよ。そこからじゃないとスタートしないよ、今回の。
 そして、我々は、二十三区選出議員もたくさんいるわけだから、それぞれの区に帰れないよ、こんなことで都政が動いていくんであれば。我々は断固戦わざるを得なくなりますよ。一緒に都財政の再建のために努力してきたんじゃないか。同志じゃないかよ。これからさらに大きな、東京都財政の前進のために、二十三区と一体となって努力していくような流れをつくっていかなきゃいけないと思うんだよ。そのために、これは決してプラスにならないと思うんですけれども、財務局長のお考えを聞かせていただきたい。反省しなさい、反省を少し。
〇谷川財務局長 先ほど鈴木委員の方からお話がありました、都も区もよりよい都市経営をしていきたいという気持ちが根っこにあるのは重々わかっておりますし、その問題を本当に法律論を超えてどのように協調していくのかという将来目標が、一つそこにあると思います。
 現実問題として、今横たわっている五課題に対して、私どもの課題に対して、今、委員のいろいろなご指摘を受けましたけれども、我々としましては、残り少ない時間でございますけれども、総務局と連携しながら精いっぱい解決するように、今年度内に解決するような努力をしていきたいというふうに思っておりますし、それの次のバージョンもいつの日か出てくるかと思いますので、ぜひ……。
〇大西委員 バージョンじゃなくて、これについていろいろな議論や誤解を二十三区側に与えたということについては、やっぱり謙虚に……。
〇谷川財務局長 はい、それで、先ほど主計部長がちょっとお話ししかけましたけれども、二十三区の区長会の皆様方から要望を受けた席に私もいまして、そこでは一定の話をしまして、十分に区側の方に私どもの思いが伝わったとは思っておりませんけれども、今後も引き続き同じ土俵に立てるように努力していきたい、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。